人気の犬種ランキング
かかりやすい病気とペット保険の必要性
2025.08.12
① 人気犬種ランキングTOP5
犬は今や大切な家族の一員として、多くの人に親しまれています。愛くるしい姿だけではなく、社交的な性格や飼育しやすい小型犬など、初めて犬と暮らす方にも魅力的な犬種が人気を集めています。
2024年時点で、飼育頭数が多い人気犬種TOP5は以下の通りです。


※アニコムどうぶつ白書2024を参考に雑種(ミックス犬)を除く、上位順。
アニコムホールディングス株式会社 アニコム家庭どうぶつ白書2024「第1部家庭どうぶつと家族」
② 犬種別のかかりやすい病気と注意点
犬種によって見た目や性格に特徴があるように、体の構造や遺伝的な背景にも違いがあり、それぞれかかりやすい病気も異なります。ここでは犬種別の代表的な疾患と健康管理のポイントをご紹介します。
トイ・プードル
◇ 関節と目のトラブルに注意
トイ・プードルは活発で運動好きな反面、膝蓋骨脱臼(パテラ)のリスクが高い犬種です。ジャンプや段差で膝に負担がかかりやすく、悪化すると手術が必要になることも。また、白内障や流涙症など目の病気も多く、涙やけが目立つ場合は注意が必要です。

チワワ
◇ 呼吸器と心臓の病気の発症率が高い
世界最小の犬種であるチワワは、気管虚脱にかかりやすいことで知られています。興奮したときに「ゼーゼー」「ガーガー」と苦しそうな呼吸をしていたら要注意。さらに、僧帽弁閉鎖不全症などの心臓病のリスクも高く、特にシニア期には定期的な心音チェックが大切です。

柴犬
◇ 皮膚トラブルが慢性化しやすい
日本犬である柴犬は、遺伝的にアトピー性皮膚炎や脂漏症などの皮膚疾患が多い傾向があります。かゆみや赤みが続く場合、食物アレルギーや環境要因が関係している可能性も。根本的な体質改善には時間がかかるため、長期的な治療や投薬が必要になることもあります。

ミニチュア・ダックスフンド
◇ 椎間板ヘルニアの好発種
胴長短足の体型が魅力のミニチュア・ダックスフンドですが、その体型ゆえに椎間板ヘルニアのリスクが高い犬種です。階段の上り下りやソファへのジャンプなど、日常の動作で背骨に大きな負担がかかります。症状が進行すると麻痺や歩行困難に至り、手術が必要になることもあります。

ポメラニアン
◇ 気管・膝・皮膚の複合リスクに留意
ポメラニアンは気管虚脱の発症率が高く、呼吸が荒い、咳が続くといった症状が見られることも。また、膝蓋骨脱臼(パテラ)や、特有の症状である脱毛症(アロペシアX)など皮膚や被毛に関するトラブルも多く、見た目の変化にも注意が必要です。

上記のように犬種ごとの特徴はさまざまですが、犬全体の傾向として、動物病院での受診理由で特に多い疾患が「消化器疾患」と「皮膚疾患」です。
体調の変化があった場合、すぐに動物病院へ受診することで症状の悪化を防ぐことができます。日頃から愛犬の様子をよく観察し、すぐに対処してあげることが大切です。
アニコムホールディングス株式会社 アニコム家庭どうぶつ白書2024「第2部どうぶつの疾患統計 第2章品種別の統計」
③ 犬の病気と医療費の実態
病気の種類によっては、治療費が数万~数十万円にのぼることも珍しくありません。外科手術を伴う場合の医療費は手術の種類や難易度、犬のサイズ、入院の有無などによって大きく異なりますが数十万円となることが一般的です。
代表的な犬の病気と医療費の目安は以下の通りです。
-
・皮膚炎(慢性疾患の場合):
月額5,000円〜1万円 -
・気管虚脱(手術を含む場合):
50万円~80万円 -
・椎間板ヘルニア(手術・入院):
30万円〜50万円 -
・心臓病(通院治療):
月額1万円~3万円 -
・心臓病(手術・入院):
約200万円
こうした医療費は予期せず発生することが多く、特に完治が難しい病気や再発を繰り返す病気では継続的な治療が必要となるため、経済的にも飼い主さまの負担となります。
早いうちからペット保険や貯金で医療費の準備をしておくことで、愛犬が万が一の際も安心して治療を受けさせてあげることができます。
④ 保険選びのポイントと加入のタイミング
トイ・プードル、チワワ、柴犬、ミニチュア・ダックスフンド、ポメラニアンなど人気の犬種にはそれぞれの可愛さとともに、特有の病気リスクも抱えています。 ペット保険を選ぶ際は犬種特有の病気に対応しているかを確認することがポイントです。
保険加入時のチェックポイント
- ・通院・入院・手術がカバーされるプランか
- ・加入時の年齢制限や持病の免責事項はあるか
- ・犬種特有の病気が免責事項になっていないか
- ・補償割合や年間補償限度額などの支払上限が自分の希望と合っているか
- ・シニア期(7歳以降)の保険料も比較をする
最も重要なポイントは、愛犬が健康なうちでなければ保険に加入できないという点です。 すでに持病がある場合、多くの保険会社では加入そのものができないか、加入できたとしてもその病気が補償対象外になることがあります。
また、保険には免責事項と呼ばれる保険金が支払われない条件が設定されています。免責事項には膝蓋骨脱臼(パテラ)や歯科治療など、犬種によってリスクの高い疾患が免責となっている場合もあるため、契約前に補償範囲や条件をしっかり確認することが大切です。
さらに、犬は7歳頃からシニア期に入り、病気のリスクが高まることから、多くのペット保険では年齢と共に保険料も上昇する傾向にあります。
一方で、シニア期の犬でも保険料の上昇が緩やかな保険や12歳以降は保険料が一定の保険も存在します。 犬の寿命が延びている今、シニア期の保険料がどうなるかまで考慮した保険選びが重要になっています。
これから犬をお迎えする方も、すでに犬と一緒に暮らしている方も、愛犬が安心して生活できるよう、健康管理や飼育環境を見直し、万が一の備えとしてペット保険を検討してみてはいかがでしょうか。