ペットも熱中症には要注意!
2025.07.07
①ペットも熱中症になるの?
暑さが厳しい日本では、ペットも人間と同じように熱中症になる可能性があります。
熱中症は高温多湿な環境が原因で体温が上がったことにより生じる全身性の疾患です。急激な体温の上昇に伴い、高体温状態が続くと正常な体の機能が失われ、痙攣や意識の混濁などペットの命に関わる危険な状態になることもあります。
大切なペットが熱中症にならないようにするため、どのような対策が必要かを知り、本格的な夏が来る前にペットの種類によって、飼育環境も見直してみましょう。

②熱中症になりやすいペットの特徴
暑い季節になると体温調節が苦手なペットは、飼い主さまが気づかないうちに体調を崩してしまうこともあります。
ここでは熱中症になりやすいペットの特徴をまとめました。大切な家族であるペットを守るために、ぜひ参考にしてください。
【犬】
フレンチブルドッグ、パグ、ペキニーズなどの短頭種
シベリアンハスキーなどのダブルコートの犬種

【猫】
ペルシャ、ヒマラヤン、エキゾチックショートヘアなどの短頭種
メインクーン、ラグドール、ノルウェージャンフォレストキャットや雑種の長毛の猫種
サイベリアン、ネヴァマスカレードなどのトリプルコート種

【小動物】
うさぎ、フェレット、モルモット、チンチラ、デグー、
ハムスター(特にロボロフスキー、ジャンガリアンなどの北方原産種)

上記以外にも子犬や子猫、あるいは高齢だったり、心臓病、呼吸器疾患などの持病があったり、肥満気味であったりするなど、年齢や健康状態により熱中症リスクが高まるケースもあるため、該当する場合は注意が必要です。
③熱中症の主な症状と応急処置
熱中症は初期段階で異変に気づき、適切に対応することが非常に重要です。見逃してしまうと、命に関わる重篤な症状へと進行してしまう危険があります。
熱中症による症状はどういったものか、応急処置の一例と一緒にご紹介します。しっかりと把握し、少しでも異変を感じたらすぐに対策を講じましょう。
【症状】
・動きが悪い(いつもはしゃぐ場面でも静かで動かない)
・パンティング(荒い呼吸)が激しい
・よだれが増える
・ふらつきがある
・ぐったりしている、元気がない
・嘔吐、下痢
・歯茎や舌の色が赤紫色になる
・けいれん、意識の混濁
・体温の上昇(40℃以上)

【緊急時の応急処置】
・涼しい場所に移動させる
・体を冷やす(首筋、脇の下、股の付け根など、太い血管が通っている場所を重点的に)
・濡らしたタオルや冷たいペットボトルを当てる
・水浴びをさせる場合は、心臓に負担がかからないよう注意する(冷たすぎる水はNG)
・意識がある場合は、少量の水を与える
・動物病院へすぐに連絡し、指示を仰ぐ
ペットが熱中症にかかると病状が急速に悪化し、動物病院を受診しても救えない場合があります。SBIプリズム少額短期保険株式会社によると、動物病院での熱中症による死亡率は約50%に達しており、多くのケースで受診から24時間以内に亡くなっています。そのため、ペットに熱中症の疑いがある場合は、できるだけ早く、遅くとも発症から24時間以内に受診することを推奨します。
【参考】
SBIプリズム少額短期保険株式会社
「【獣医師監修】死亡率約50%!ペットの熱中症について〜愛犬・愛猫の命を守るために〜」
https://www.sbiprism.co.jp/column/column_26.html
④今日からできる!熱中症対策のポイント
暑さが厳しい季節、ペットが快適に過ごすためには、飼い主さまのちょっとした工夫が大切です。熱中症は予防が何より大切です。今日からすぐに実践できる対策を取り入れ、ペットを暑さから守りましょう。
・エアコンや扇風機を適切に利用し、室温を25〜28℃程度に保つ
・それぞれのペットに最適な湿度を保つ(特に湿度管理が必要な小動物は30~50%以下を目安に保つ)
・水分補給がしやすいよう常に新鮮な水を用意し、複数箇所に水飲み場を設置する
・ウェットフードや水分量の多いおやつを活用して水分補給する
・ペット用クールグッズを活用する(クールマット、クールウェアなど)
・小動物は凍らせたペットボトルをタオルで巻いてゲージの近くに置く
・車での移動時はエアコンを適切に使う
・短時間でも車内には絶対に放置しない

【犬の散歩時の注意事項】
・散歩の時間と場所の見直し(早朝や夜間の涼しい時間帯を選ぶ)
・真夏日に日中のアスファルトは肉球の火傷にもつながるため、日陰を選んで歩く
・濡らしたタオルで体を拭く
熱中症は動物病院における発症後の死亡率が50%を超える、とても怖い病気です。例えば、犬の熱中症による治療費は平均で約15,000円、入院が必要になった場合には約15万円かかることもあります。安心して適切な治療を受けさせるために、ペット保険への加入を検討するのも有効な備えとなります。
暑い季節もペットとたくさんの思い出を作るために飼育環境を見直し、大切なペットが快適で楽しく過ごすために今からできる準備を進めておきましょう。